【レースレポート】信越五岳トレイルランニングレース2018 110km – 2

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【レースレポート】信越五岳トレイルランニングレース2018 110km – 1

黒姫〜笹ヶ峰

黒姫エイドでは岩本町TRCのマイルのペーサー達が待っていました。
マイルの選手たちは苦戦しているようで、ほとんどの選手がまだ黒姫を通過していないとのこと。 やはりマイルのコースは過酷なのだろう。

ここでミスに気づきます。110kのドロップバックは11km先の笹ヶ峰エイドにあるにもかかわらず、勘違いで黒姫までの分しかザックに入れていなかったのです。
今回のレースでは協賛のH+Bライフサイエンス社の粉飴ジェルが各エイドに置いてあり、ほんとに助かりました。。

みんなとエールを交わし、エイドを後にします。
そんなにいたつもりは無かったが、みんなと話してしまったせいか、8分もいてしまいました。

エイドを出たら、ゲレンデをしばらく登ります。 その後、登りの林道が約5km、 脚や心肺には余裕があったのでゆっくり走ります。
ピークを過ぎ、しばらく下ったところでトレイルに入ります。
つづら折りで足場は悪く、慎重に脚を進めます。

しばらく下っていると、トップ10を争っていたはずのチームメンバーが脚を痛めて止まっています。とりあえず次のエイドまでは自力で行くとのことなので、エールを交わし先を進みました。ここに向けていい感じに練習積んでたし、ここまでいいペースでレースを展開していただけに非常に残念。。。

下り終えると信越名物の吊橋に到着。この吊橋は一人づつしか通ることができず、マイルの選手も含めて4人くらい並んでいました。

吊橋

あとで聞いたところ、マイルと110kのボリュームゾーンでは最大1時間半もの渋滞があったとか。次のエイドで足切りされたという人も数多くいたようです。

(ここで救済措置をしろ!との声もあったようですが、1人〜2人しか渡れないとガイダンスではきちんと伝えていましたし、ここで渋滞が発生することは織り込んでおかないといけないと個人的には思いました。とはいえ1時間半は想像以上ですが。。マイル開催初の吊橋だったこともあって、運営側もどのくらいかは予想できなかったのでしょう。念を押して伝えるべきだったのかもしれません。)


吊橋を渡り、これまた信越名物のスイッチバックの急登。
いつもここは横歩きで筋肉を分散させつつ登ります。脚は動くけど、心肺がかなりきつかった。。
登り切ったらあとはエイドまで気持ちの良いトレイル。
ただ「笹ヶ峰グリーンハウス」という標識が見えてから、なかなか走らされます。
エイドに到着。

IN :8:05
OUT:8:19 (+0:25)
区間:1:49 (-0:06)

笹ヶ峰〜西登山口

ドロップバックを受け取り、ジェルをザックに充填します。
着替えようか迷いましたが、そんなに汚れてもないし寒くもなかったのでそのままでいくことに。サングラスはもう要らないと判断し置いていきました。 

ドロップバックに忍ばせておいたウェーブストレッチリングで、固くなったハムストリングをほぐします。いま思えばこれも走り続けられたポイントだったのかもしれません。もしかしたらハムだけでなく、他の部分もやっておけば良かったのかもしれません。
水を補給し、トレイルバターのパンケーキをいただき出発します。なんだかんだで13分もいてしまいました。

ここからしばらく牧場を走るのですが、なぜか左脛が痛んできた。ここもほぐしておけばよかったと後悔しましたが、走れないほどでもなかったのでゆっくりですが走ります。

トレイルを進み、乙見湖に到着。 以前はここがエイドでしたが、閑散としているのがなんだか不思議です。 

乙見湖名物の急な階段を登り(さすがに歩きました)、しばらくフラットなトレイルが続きます。左脛の違和感から思うように走れません。途中湧き水もあり、脚を冷やしなんとか進みます。

その後、登りの林道に差し掛かりますが、ここは流石に歩きます。。少し走って少し歩く、その繰り返し。
トータル考えて、ここが一番しんどかったかもしれません。トボトボとなりながら、西登山口エイドに到着。この区間で110kmの選手にだいぶ抜かされました。。
この時点で予定タイムからだいぶ遅れてしまいます。

IN :9:52
OUT:9:56 (+0:50)
区間:1:33 (+0:21)

西登山口〜大橋林道

エイドに到着した時点でかなりの疲労を感じていました。呼吸もだいぶあがっています。50km越えたあたりで出るいつもの症状。
一度落ち着くためにも、粉飴をお湯で溶かしたものをいただきます。

4分ほど休憩し、トレイルを登ります。ここからのコースが泥地獄。
斜度は大したことないですが、かなり泥々で脚がふくらはぎあたりまで埋まるほどです。
最初のうちは端を通っていましたが、最後の方はどうでもよくなっていき、ズブズブと沼に脚を入れ進んでいきます。
名も無いピークに到着。そこからしばらく下ります。

ここから何故か復活してきて、何人かをパスすることができました。
脚は若干痛いものの、そのままの勢いで大橋林道エイドに到着。 

IN :11:04
OUT:11:08 (+1:00)
区間:1:12 (+0:10)

大橋林道〜戸隠スキー場

果物とおかゆをいただき、4分ほどでエイドを出ます。

エイドを出たところで、プロトレイルランナーの鏑木選手が体をほぐしてらっしゃったので、「頑張ってください」と声をかけて自分は先を急ぎます。

ここから若干暗くなってきたので、途中でヘッドライトを装着。
暗くなってきて集中力が増したからか、脚が麻痺し始めたのか、この区間でかなり走れました。
真っ暗になってきたので腰のライトもザックから取り出します。
その後数人をパスし、戸隠スキー場へ到着します。

IN :12:57
OUT:13:07 (+1:41)
区間:1:49 (+0:29)

戸隠スキー場〜飯綱登山口

いよいよここまで来ました。
目標タイムからはかなり遅れてしまいましたが、順位はそこそこいい感じです。 ここからは目標を順位に切り替え、出し切ってゴールすることを目指します。
左脛が相変わらず痛むくらいで、幸い体調も悪くない。
食欲が若干はありませんでしたが、このあとのラスボス瑪瑙山のためにも、 信州そばを半分だけガッと流し込みます。

マッサージしてもらおうかとも思ったが、 ここでのストップは順位にも響きますし、エイドに長居しないという目標もあるので、気持ちを奮い立たせ、思い切ってエイドを出ます。

ここからのトレイルが酷かった。。踏むところが全て泥沼。避けて通って滑ってドボンするよりも、 もう脚を入れてしまった方がマシだとも思えました。
自分の順位的にまだ数十人しか通っていないのを考えると、この後走る人はもっと大変だったかと思います。

泥沼地獄を抜けるといよいよ瑪瑙山の登山口に。スタッフの方に依ると「ここから400m登る」とのことでした。何も考えずただひたすら登っていきます。
そもそもズルズルで登れないんじゃないのか?とも思いましたが、そんなに滑ることなく登ることはできました(少なくとも自分の時間帯では)。
3年前の方が酷かった気もします(当時は後方を走っていたからかもしれませんが)。 
登りはわりかしサクサクいけました。UTMFのときもそうでしたが、登りの脚は残っていました。

瑪瑙山は、250mほど登ってから平坦になり、残り150mはゲレンデ直登というレイアウトのはずなのですが、なかなかゲレンデにたどり着きません。。
と思っていたらスタッフさんの「瑪瑙山頂上でーす」の声が。
どうやら霧がすごすぎてゲレンデを登っている自覚がなかったみたいです。
確かに急に風通しがよくなったな〜とは思ったんですが。。
とにかく嬉しい誤算でした。

ここからはゲレンデを一気に駆け下ります。
ただし、スネが痛い自分にとっては地獄でした。。
自然とスピードが出てしまい、脚にもその分衝撃が走ります。
脚を滑らすように、小刻みに、脚を横にしてみたりと試行錯誤を繰り返しながらなんとかやり過ごします。
その後、下りきったところで飯綱山を途中まで登ります。
パワーウォークで、グイグイ登っていきました。
ようやく100km地点の看板が見えました。

そこからひたすら下って、最終エイドの飯縄山登山口に到着です。

IN :15:11
OUT:15:12 (+1:52)
区間:2:04 (+0:07)

飯縄山登山口〜FINISH

あとは7kmの林道だけです。
3年前はここの林道をほとんど走れなかったので、今年はここをすべて走り切る!これも目標の一つでした。

水をフラスコ500mlだけ充填し、いざ出発します。(ちなみに、ウォーターエイドだったのに食べ物もありました。)

林道はゆるやかな登りと思ってましたが、結構登ります。
コースの高低図を見てもほぼフラットなのですが。。。
ここは我慢、根性で走り続けるしかありません!
時計を見てもなかなか距離が増えてくれず、 「4km我慢すれば下りになってくれるはずだ!」と自分を鼓舞し、脚は痛いけどとにかく走り続けます。
前後に選手は全く見えず、自分だけの戦いになっていました。
このペースで抜かれても仕方がないと思えたし、このまま走っていれば順位も上げられるかもしれない。そう思って必死に走りました。
ようやく4kmまでこぎつけ、期待通りに下ってくれました。
途中、登りもありましたが、下り基調です。ここから重力に身を任せ、最後の力を振り絞り走ります。

すると選手が見えてきました。しかしマイルの選手。110kmの選手はもうずいぶん先のようです。。
マイルの選手数人に「お疲れ様でした」と声をかけパスさせてもらい、いよいよゴールの明かりが見えてきました。

この瞬間は本当にテンションが上がります。特に信越のゴールは格別です! 
110kmの選手には追いつきませんでしたが、最後は笑顔でFINISH!

16:01:38

予定タイムより2時間もオーバーしましたが、最後の林道も走ることができたし、最後は出し切ることができて、 達成感に満ちていました。

順位も33位と、ロングディスタンス、しかもメジャーなレースで上位10%に入れたことは非常に自信になりました。

※ゴール後、ザックのファスナーが全開だったことに気づく。レインパンツとタオルを落としてしまいました。。 (その後レインパンツは見つかりました!)

FINISH:16:01 (+2:01)
区間:0:49 (+0:09)

各エイドタイム&順位変動

まとめ

▼よかったこと

・一度も座らなかった
・30分に一度補給を守った(後半はグダグダになってしまった部分はあったが) ・ガーミンの30分補給タイマーがよかった
・前半抑えて、後半も大崩れせずにレースを進められた
・エイドで長居せず、とにかく進みながら回復に努めた
・関川、FINISH前の林道をきちんと走れた
・ふくらはぎのVテープ
・膝のエックステープ
・笹ヶ峰でのウェーブストレッチリングでのマッサージ
・経口補水液とクエン酸コンクの組み合わせ(濃度は別)
・深めのキャップは日焼け対策でかなり有効

▼課題

・前半もう少し速くいかないと14時間は難しかった。(少なくとも黒姫は5時間台で着かないと)
・クエン酸コンクと経口補水液の組み合わせだったが、甘酸っぱくて後半きつかった。縮尺半分でよい。
・左脛の痛みは、おそらく捻挫が原因のような気もしている。捻挫をかばってこのようになってしまったとも言える。
・途中太ももを水で冷やしたが、固まって走りづらくなってしまった(これは美ヶ原でも学んだことだったが、確信に変わった)
・ザックのチャックの閉め忘れに注意

▼やっとけばよかった

・ドロップバックに音感湿布を入れておく。もしくはホカロン。
・タオルをお湯で濡らして脚を温めるなど。
・前脛骨筋のテーピング