先日2015年10月31日~11月1日にかけて行われた、第23回ハセツネCUPに参加してきました。
結果はというと、11時間48分で目標だった「サブ12」を無事達成しました!!!!!!
前の記事でも書いていた「戦略」や「補給」の答え合わせをしつつ、レビューとして残していきたいと思います。
装備・補給編はこちら↓
第23回ハセツネCUP(2015) サブ12へ向けて<装備・補給編>
時間配分・戦略編はこちら↓
第23回ハセツネCUP(2015) サブ12へ向けて<時間配分・戦略編>
これからサブ12を目指す方だけでなく、初めて参加される方などにも参考にしていただければと思います。
そもそも、ハセツネとは?
最近では数多あるトレイルランニングのレースですが、その中で23年もの歴史を持つ、いわば最高峰のトレランレースと言われている大会です。
給水・食料
給水は42km時点の1回1.5リットルだけ。その他エイドステーション(補給所)は存在しません。もちろん食料など全くありません。
また、選手同士、サポーターなどからの授受も認められません。つまり、必要なものは全て自分で持っていかなくてはなりません。
コース
五日市中学校をスタートし、
今熊神社→市道山分岐→醍醐丸→生藤山→土俵岳→笹尾根→三頭山→大岳山→御岳神社→金比羅尾根
と通り、五日市会館前にゴールする、
全長:71.5km、累積標高:4582m、制限時間24時間のなが~い道のりです。
エントリー方法
以下の方法があります。
- 春に行われる「ハセツネ30K」で上位1000位以内に入る
- クリック合戦に勝つ
- あきる野市にふるさと納税(30,000円以上)する
のいずれかになります。※招待選手を除く
※ハセツネ30Kもクリック合戦になります・・・
これらをくぐり抜けた約2500人のランナーたちが参加する別名「大人の大運動会」と言われるトレランの大イベントなのです。(出るだけでも大変)
スタート~第1関門
スタート位置
まず、スタート位置。
ここからレースが始まっていると言っても過言ではありません。
ここでいい位置を取るか取らないかで最終的なタイムに響いてきます。
僕は10時間~12時間の中盤~後方あたりに位置取りました。
前には4~500人くらい?はいたと思います。
広徳寺以降の渋滞
広徳寺までのロードは、上げすぎず下げすぎずで、快調に行けたと思います。
が早速、そこから変電所まで渋滞にハマります。
数秒止まっては進むという感じではありましたが、満足に走れない。。(ここで蜂に刺された方もいたようです・・)
ようやく変電所前のロードは道幅も広いので、今熊神社の入り口まではマイペースで走れました。
ここまではほぼ予定通りのタイム。
入山峠の渋滞
ここから入山峠まではシングルトラックが続き、なかなか抜けない。。
途中、サブ11狙いのチームメンバーが後ろから来て、彼のプレッシャーを背後に感じながら一緒にペースを上げ、入山峠まで1分の貯金で到着。
入山峠の渋滞も聞いてた話ほどではなく、2分ほどで抜けられました。
アップダウンでのハイペース
キツイと評判の峰見通りのアップダウンを抜け市道分岐~醍醐丸までで5分の貯金。
途中、少し飛ばしすぎな感じがしたので、チームメンバーには先に行ってもらって、マイペースに戻しました。
それが祟ったのか、ハムストに張りを覚えだし、登りがスムーズに行きませんでした。
浅間峠で約10分の貯金
タイム通りにここまでは力をセーブしようと思いましたが、無駄な渋滞に阻まれそれを取り返すためと、レースという雰囲気に飲まれ、ペースが乱されてしまったのが反省点です。
とはいえ、前半のこの貯金が後々生きてきたとも言えるので、難しいところではあります。
実際、イーブンタイムで入ったとしたら後半で渋滞にハマっていたかもしれないですし、、、
あとは、登り方がまずかったかなと。ハムストに不可が掛かり過ぎる登り方をしてしまったので、もう少し惰性で登れたような気がします。
そこは伸びしろかなと。
第1関門~第2関門
低体温?
浅間峠では休まず、暗くなるギリギリで休憩&ヘッドライトを装着。ここで止まったせいで、低体温になりかけ(ガクブル状態)、シェルを羽織います。
この時一瞬「まさかのリタイア?」と思いましたが、シェルを羽織ってからは体調も戻り、ほっと一安心。
霧で見えづらい
予想通り霧がスゴイ。ヘッドライトは霧で拡散され見えない。獣人キャンプでいただいた獣人フィルタ(黄色いフィルム)をつけていたのでなんとか凌げた(他の選手もこの霧には苦労していたようです)。腰のライトは特に問題ありません。
三頭山で15分の借金。サブ12の雲行きが怪しく・・
浅間峠までで脚を使いすぎていたのが効いて、登りのスピードが鈍りだします(周りの選手の影響もあったが)。
前半の貯金も使い果たし、三頭山到着時には15分の借金。サブ12の雲行きが怪しくなります。
とはいえ脚も疲れてきてるし、シングルが続き思うようにランナーを抜けずペースを上げられない。
そこで、御前山以降で挽回しようと、御前山までは温存区間と割り切りました。
なんとか借金6分で第2関門到着
脚が攣りながらも、三頭山の借金を少し返して月夜見第2駐車場へ到着しました。
ここで給水です。この時点で水、ポカリ合わせて500ミリリットルくらいは残っていましたが。
ポカリを飲み干し、ドリンクは水1リットル、ポカリ500ミリリットルを補給します。
トイレ(小)を済まし、蒸しパンを少し食べ計6分でスタート(5分ってあっという間)しました。
第2関門~第3関門
御前山へ挑む・・
脚はほぼ回復してきた!体調も悪く無い!食欲もある!気合を入れ直し御前山へ向かいます。
下りは快調に飛ばし、少しづつ借金返済していきます。
長い登りの途中で、気合を入れるためにvespaを注入します。効いたかどうかはわかりませんが、淡々と登れたのはこのおかげだったのかもしれません。
真っ暗な中をひたすら登るという、精神的にも体力的にもしんどい状況でしたが、試走での細かいタイム(大きな岩から10分くらい)というのがあったので気がしっかり持てました。
途中右に曲がるところでコースロストしてる人多数いました。チームメンバーでもいました。自分も一人なら危なかったかもしれません。
記憶がおぼろげですが、このあたりで食料があまり受け付けられなくなったと思います。ようかんを少しずつ口に含み水で流し込む感じでハンガーノックだけは避けるようにしました。
ようやく登り切った~と思ったら「惣岳山」だったときは思わず舌打ちしてしまいました(笑)。
その後、下って平坦走って登り返し、御前山山頂へ到着!
この瞬間はなんとも言えない達成感!と同時に、まだ予定タイムより5分も遅れてることに気づき先を急ぎます。
大ダワまでで借金返済
大ダワまでの2山「クロノ尾山」、「鞘口山」は人がバラけていたこともあり、自分のペースで登ることができ、大ダワまでの下りは快調にかっ飛ばし、大ダワでとうとう予定タイムとイーブンに!!
大ダワでリタイアしたチームメイトからの応援に一層パワーが出ます。ここでは一切休憩は取らず。そのままラスボス大岳山へ。
ラスボス大岳山
脚はハムスト以外はそこそこ快調!攣る気配もまったくなし!大岳山登り開始までのトレイルはほぼノンストップで走り続けられました。
大岳山登り口から13分で頂上ということを頭に入れていたので、精神的に相当楽でした。細かいタイムスケジュールには本当に助けられました。
14分ほどで大岳山山頂に。ここで予定タイムから1分30秒の貯金。これは行ける!
長尾平まででスピードアップ
大岳神社へのテクニカルな下りは、ゆっくり目のランナーに遭遇してしまい、渋滞気味で進む。とはいえ、大岳神社で3分ほどの貯金になりました。
そこから長尾平まではほぼ下り&フラットなので、ここを目一杯かっ飛ばし貯金を7分に伸ばして長尾平に到着しました。
サブ12計算だと17分の貯金になります。この時点でサブ12はほぼ当確。あとは大失速せずに戻れるかに思考を切り替えました。
第3関門~GOAL
日の出山まで
御岳神社までの登りで歩きながら固形感が少ないmagonを摂取します。これはすんなり喉に通り、このタイプのジェルも持ってきて正解でした。
神社で水と塩熱サプリを摂取。気合を入れ直して日の出山へ進む。
だが、日の出山の登りが想像以上に時間がかかってしまいました。ハムストのダメージがかなり蓄積されていたようで脚がとても重い。。。
とはいえ、日の出山山頂時点で約8分の貯金。サブ12まであと約85分もあり、係の方からも「今なら漏れ無く12時間切りですよー」と言われたので、休憩なしで気合で山頂を後にします。
金毘羅尾根~GOALへ突っ走る
日の出山山頂の下り階段を脚をケアしつつ下り切り、余っていたコーラをここで捨てます。
荷物も軽くし、金毘羅尾根を登りも下りもかっ飛ばす!!と思ったのですが、やはりハムに力が入らず、いくつかの登りは歩いてしまいました。。。ここが弱いところだなとしみじみ思います。。
ただ下りについては、昼ほどではないですが、ある程度スピードは出せたと思います。
初めて走った時はあんだけ長かったのに、あっという間にコンクリ橋に到着!!
その時点で11時間35分! ここから15分もあればゴール可能なことはわかっていたので、あとはかっ飛ばすだけ!スピードを上げていきます。
とうとう長い下りも終わり、いよいよ住宅街へ。ふらついている選手たちを横目にラストスパート!
タイムは11時間48分00秒!
達成感と終わるという安心感からか、喜びが弾けてかなりテンション高めにゴールしました!
長いそして辛い71.5kmがようやく終わりました。
総括
- 電池は最後までもった。登り時は腰はこまめにOFFにしたのも良かったかも。
- ゼッケンは足じゃない方が良し。(手でももを押すときに滑る。)
- 事前にどこで補給取るということを決めていたが、タイムがずれると何の意味もなさなくなる。やはり時間で区切るのが一番。
- 試走してなかったら確実にこの記録は出ていなかった。細かな時間配分をしていたのが精神的にもかなり良かった。
- 食べ物が受け付けなくなるのは初めてだった。ジェルのパターンも何パターンか持って行ってよかった。
- 全てスポーツようかんにしたのはミスった。ブラックサンダーとミックスにするべき。
- パンは持って行って正解だった。結局蒸しパンは全てたべられなかったが、パンで大分救われた。
- スタート順は、「ハセツネ持ちタイム」、「ハセツネ30K持ちタイム」、「フルマラソン or ハーフマラソンタイム」などを加味して、スタートブロックは厳密に決めてほしいですね。あんな感じだと一生渋滞なんて緩和しないよなぁ。。。
- 渋滞をいかに抜けるか、自分のペースをどう保つかのバランスがすごく重要だということが改めてわかった。もっと経験詰めばタイムも比例すると思う。
レポートはこんな感じです。
いろいろありましたが、まず「ハセツネ」に参加できたこと、トレイルランナーの一つの基準「サブ12」を達成できたことを純粋に嬉しく思います。
と同時に、もう少し出しきれたのではないのか?という後悔も若干でてきました。
次いつ挑戦するかわかりませんが、また自分の現在地を図りたい時に参加しようと思います。